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茶々姫をたどる汐路にて

茶々姫研究日記(こちらが現行版になります)

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天秀尼の本名について考える

 
うちのサイトにも、「出典不明」として一般的に通っている「奈阿」と「千代」を載せていましたが…この出典が分からなかったので調べてみたところ、「奈阿」は千姫の孫の名前でもあるそうですね。

橋本政次氏の『千姫考』にも、千と本多忠刻の娘勝と池田光政の長女が「奈阿」といい、忠刻の甥本多忠平の妻となったとあります。

一次史料にあたろうと史料編纂所のデータベースをあたってみたところ、史料そのものは見れませんでしたが、『池田光政日記』に奈阿について書かれた個所をいくつか見つけることができました。

承応2年7月20日
池田光政、幕府年寄酒井忠勝を訪問し、長女奈阿姫の縁辺につき、本多忠義子息忠平に嫁がせる意向を上申する
承応2年7月23日
池田光政、奈阿姫縁辺、本多忠義子息のことにつき、長田十太を幕府年寄酒井忠勝へ遣わす、忠勝返事をする
承応2年9月5日
本多忠義、奈阿姫縁辺のこと、子息同心せざるゆえ返事延引するを謝す、忠義は同心する
承応2年9月12日
池田光政、奈阿姫縁辺のことにつき、幕府年寄酒井忠勝および幕府老中へ書状を遣わす
承応2年11月6日
池田光政、安井弥三兵衛を、長女奈阿姫に付属させる
承応3年4月11日
幕府、池田光政に長女奈阿姫と本多忠平との婚儀を許可する
承応3年4月21日
池田光政長女奈阿姫に付きたる者の覚
承応3年6月6日
池田光政長女奈阿姫、結納
承応3年6月晦日
池田光政長女奈阿姫祝言の道具、夜の内に遣わす
承応3年7月3日
池田光政長女奈阿姫、本多忠平へ輿入れする
明暦3年11月11日
池田光政、奈阿局年々不届の仕合につき、国元へ遣わす
万治3年5月19日
池田光政女奈阿・佐阿ほかに用を遣わす、 池田光政日記

奈阿は千との縁も浅からぬ人で、千の没後、追善供養のために写した経文が残っているそうです
紺紙金泥阿弥陀経

千と天秀尼も養母娘として浅からぬ縁、交流を持っていたので、この池田奈阿と混同されたようですね。
博物館に展示してあるような系図にも「奈阿」と載っているので、もやもやしていたのですがすっきりしました。


(4/17追記)
コメントで教えていただき、デジタル岡山大百科をチェックしました。

○「備前池田家系譜」
「本多能登守忠□(義)嫡男下野守忠平ノ御内室」
「光政公第一女」
奈阿姫君ト称」
「元禄十年十二月十一日卒」
「慈雲院殿梵音艸海大姉」

○「備藩先公墓記」
「慈雲院殿梵音性海大姉」
「第一女」
「諱名於名阿

○「池田系図」
「女子  本多下野守忠平室」

この三点で確認できました。
とおりすがりさん、ありがとうございました。
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Comment

1. 奈阿姫について

千姫の女勝姫の長女奈阿姫については、「池田家履歴略記」及び角田文衛氏の「日本の女性名」また、デジタル岡山大百科内の備前池田家系譜や備藩先公墓記にも記述されています。

2011.04.17 | とおりすがり[URL] | Edit

2. Re:奈阿姫について

>とおりすがりさん

追加情報ありがとうございます。
「日本の女性名」は所持していたのに盲点でした。

デジタル岡山大百科のほうも早速拝見させていただきます。

2011.04.17 | 紀伊@赤石いとこ[URL] | Edit

3. 奈阿姫について

紀伊@赤石いとこ様

私なんかのコメントに返信頂き、嬉しく思います。ありがとうございます。
考えたら奈阿姫は他にも、人物叢書の「池田光政」に名前と生年が、「断家譜」に名前の記載はありませんが戒名と没年の記載があるのを忘れておりました。

2011.04.18 | とおりすがり[URL] | Edit

4. Re:奈阿姫について

>とおりすがりさん

いえいえ、こちらこそ貴重な情報をありがとうございました。勉強になります。

もとの奈阿姫はたくさん記録が残っていますね。
天秀尼については、これだけ掘っても奈阿という名前では出てこないので、やはり千姫に可愛がられた者どうしの混同なのだなという思いを強くしています。
(wikiなど、同名の異人という解釈もあるようですが…)

茶々姫から外れるとてんで分からなくなってしまうので、アドバイスをいただけて嬉しかったです。
ありがとうございました。

2011.04.18 | 紀伊@赤石いとこ[URL] | Edit

5. こんばんは

お久しぶりです。

ずいぶん前に撮った写真を整理してしらべものしてたらここにたどり着きました^^

湯島の麟祥院に奈阿姫の墓塔があります。
文字が一部剥落していますが、

(正面)
 元禄十丁丑年
慈雲院殿[梵]音性海尼大姉
 十二月十一日

(左面)
 順淑大夫人池田氏之墓
 元禄十一年戊寅孟春
 本多能登守藤原忠常為
 亡母立

とあります。
写真を私のとこにアップしました

http://ameblo.jp/prille/entry-12076162319.html

2015.09.23 | フロリアン (p2@さいたま)[URL] | Edit

6. Re:こんばんは

>フロリアン (p2@さいたま)さん

せっかくコメントをいただいたのに反応が遅くなり申し訳ありません。
奈阿の墓碑の情報、ありがとうございます。
またお参りに伺いたいです。

2016.01.31 | 紀伊@赤石いとこ[URL] | Edit

    
プロフィール

紀伊

Author:紀伊
茶々姫(浅井長政の娘、豊臣秀頼の母)を中心に、侍女、ご先祖の浅井家女性(祖母井口阿古など)、茶々の侍女やその子孫、養女羽柴完子とその子孫を追いかけています。
ちょこっとものを書かせていただいたり、お話しさせていただくことも。





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メモ「赤石いとこ」名義で記事を書かせていただきました。

悲劇の智将 石田三成 (別冊宝島1632 カルチャー&スポーツ) 悲劇の智将 石田三成 (別冊宝島1632 カルチャー&スポーツ)(2009/06/06)
…改めて石田三成と茶々姫の“不義”を否定する記事を書かせていただきました。


メモ 参考資料としてご紹介いただきました。

めのとめのと
…茶々の乳母大蔵卿局を主人公描く歴史小説。茶々の祖母阿古の活躍も見どころ。
千姫 おんなの城 (PHP文芸文庫)千姫 おんなの城
…千の生涯を描いた作品。千が見た茶々をはじめとする人々の生き様、敗者が着せられた悪名が描かれる。


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