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第十話「わかれ」【大河ドラマ感想】

一週間遅れで北庄落城…相変わらずひどい秀吉でした。

北庄落城に関して、備忘録的に史料をまとめてしまったので、そちらを踏まえて感想を中心にさらっと。

①賤ヶ岳合戦
前回を見ていると、三姉妹が散々足を引っ張って時機を逃したようにも受け取れますが、実際は雪が解ける春を待っていたと言われます。
浅井と織田の合戦も、山崎合戦もそうでしたが、今回の大河はおおむね戦闘シーンが短いですね。
女性目線ということで、江の目に入らない戦の詳細はカットされているのでしょうか。

②浅井家での暮らし、柴田家での暮らし
浅井家での生活が一話、柴田家での生活が二~三話と大変短いのが印象的でした。実際、今後も三姉妹の(特に佐治家での生活も描かれるであろう江の)生活はめまぐるしく変わってゆくので、その波乱万丈さを思わせる短さです。

③当時の市
当時、市は「小谷御方」と呼ばれていました。複数の史料でその呼称が登場します。
織田家に敵対した浅井に縁のある呼称で呼ばれていたのは不思議ではありますが、市がこれを拒んでいた様子もありません。実際に住んでいる場所ではない号と言えば、茶々姫が短期間しか淀城に住んでいなかったにもかかわらず、後年まで「淀」の号で呼ばれていたのと似ていますね。

③石田三成
私の見た限りですが、北庄に三姉妹を救出に来る人は大概大河の主人公(『秀吉』では秀吉だったし、『利家とまつ』では利家でした)なのですが、今回は三成でした。
浅井家に対して、かつての主君として格別の思い入れがあるという設定のようで…。今回の大河は残念ながら、三成が茶々に想いを寄せるという設定になっているようなので(もういい加減この系統の話はお腹いっぱいなのですが)、その布石なのでしょう…。
しかし、関ヶ原合戦の理由を茶々への想いなんてされてしまったら、正直三成が気の毒です。史実の三成ファンの方にはもっと気の毒です。余計に茶々姫が嫌われるから正直やめてほしい…。

④三姉妹の退城
ドラマ内では三姉妹それぞれ輿を用意されていましたが、『渓心院文』、『以貴小伝』では三姉妹が一つの輿で城を出たという描写があります。市が「御三の間」まで見送り、秀吉に直筆の書状を送ったという逸話も同じ史料にあり、これを参考にされたものと思われます。
三姉妹と市の別れのシーンというと、『太閤記』では茶々姫(「姉君」)が自分も市と共に死にたいと縋る逸話がありますが、北庄から生き残った人が語った史実かどうかは分かりません。

⑤市の遺言
『太閤記』、『新撰豊臣実録』では、「父(浅井長政)の菩提を弔うこと、また自ら(市)の菩提を弔うこと」(『続本朝通鑑』では長政のみ)を臨んで三姉妹を逃がしたとされています。
ここで勝家の菩提を弔うことがどの史料にも出てこないのは、やはり姉妹と勝家は正式に養子関係になかったかことの証左でしょうか。それとも秀吉に敵対したため、勝家のことが史料に残らなかったのでしょうか。
最期のシーンは有名な肖像画を思わせる衣装でしたが、肖像画を書かせたであろう茶々姫をはじめ娘たちがあの衣装をまとった市を見てません。落ち延びた人が姫たちに語ったという設定なのでしょうか。

⑥「我々はかばかしき親にも持ち候ははず、談合申候はん相手も候はぬに…」~今週の茶々姫
北庄落城で、両親とも失ってしまった三姉妹ですが、このとき長女茶々姫は数え十五歳でした。市の遺言どおり、一族の菩提を弔うこと、妹たちの将来、そして後々茶々姫を頼って集まってくる浅井一族や旧浅井家臣を担うことになります。まさに大蔵卿局と手探りで生きていく人生の始まりです。
市だけでも生きてくれていれば、茶々姫はもっと心安らかな人生を送れたのではないか…とつい思ってしまいます。いろいろと丸投げされてしまったようで、茶々姫ファンとしては釈然としなかったりします。
市は茶々に姉妹で一番長政に似ていると言いました。大抵この評価はマイナスの意味(美人な市似ではない)で使われるのですが、私はプラスの意味でそう思っています。今回も信長似の江に対して長政似な茶々という対比ではありますが、これまでほど悪意を感じなかったのでやっぱり嬉しいですね。父を大事に思っている茶々は、長政似だと言われてきっととても嬉しかったんだろうなあと思います。

⑦三姉妹はいつ城を逃れたか
前回記事にかいた前田摩阿は、乳母の阿茶子(少将)の機転で北庄を脱出したということになっているのですが、これはおそらく勝家の留守中ではないかと思っています。そして同年代の娘がある市の意向もあったのではないでしょうか。北庄落城後、三姉妹が前田家の府中城に預けられたという説がたしかあったと思うのですが、これが真実なら摩阿の件も関係しているんだろうなあと思います。
三姉妹も、もしかすると早いうちに北庄城から出されていた可能性もあるのではないでしょうか。敗戦の報を聞いた市が真っ先に一乗谷やら越前大野(という説がありますので)に非難させて、勝家の帰還後に承諾を得て、勝家や市から秀吉へ三姉妹を保護するよう依頼や交渉があって、秀吉が迎えをやった…ということではないかと思うのです。しかし、まだ確信を持っているわけではないのでとりあえず保留。

⑧市との別れ
扉を挟んでの別れのシーンは、長政との別れのシーンと同じでした。一貫した演出なのでしょうか。大坂城での茶々と初の別れのシーンもあのようになるのでしょうか。そんなの絶対泣く。
市や勝家の自刃シーンはありませんでしたね。信長もありませんでしたし、今のところ長政だけ…?光秀もだったかなあ。女性の自刃は切腹ではなく、胸か喉を突くかたちだったかと思いますが、茶々姫の最期もあんな感じになるのかな。

そして、今後は市の出番はほぼナレーションだけになるのでしょうか。(江の「私が死んだら母上に会えますか?」から、最終回は出演もするだろうと予想)正直、茶々姫の人生を市が見たらどう思うかというのは個人的にすごく気になるというか、実際見てほしいと思うのでその辺は丁寧に描いていただけると嬉しい。

しかし、今回は絶対泣くだろうなあと思っていたのに、結局泣けずじまいでした(『天涯の貴妃』でも泣いたのになあ…)。グっときていたんですが、やっぱりときどき不自然なまでの江の存在感が…流れをぽっきりおるような展開が多かったかなあ。私の気のせいかもしれませんが。

二話から子役なしでやってきた大河ですが、ようやく他の作品でも子役でなくなる時期が近づいてきました。茶々姫でいうと、大概北庄落城までが子役さんなことが多いですね。『利家とまつ』では豪華にも幼少期、少女期、そして瀬戸朝香さんと三段階ありました。私もこの辺までは子役がよかったなーと思いはしますが、これからきっといい感じになっていくんじゃないでしょうか。

そして、次回予告に龍(龍子)さんが登場していました。お姉さん然とした鈴木砂羽さんのかっこいい感じが割と私の龍のイメージに近いので、楽しみです。素敵な女性に描かれるといいな。盃争いも、姉妹げんかチックなら許せるんだけど。

とりあえず、最近毎回回想シーンで長政さんを見れて、それはとても幸せです(笑)
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| ∟江 姫たちの戦国 | 16:06 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

1. 母親の責任

いとこさん
こちらではご無沙汰しております。

>茶々姫の人生を市が見たらどう思うかというのは個人的にすごく気になるというか、実際見てほしいと思うのでその辺は丁寧に描いていただけると嬉しい。

私もそう思います。

お市は戦国一の美女で、健気な悲劇の女性のように言われるけれども、本来子どもを保護する母親としての責任を放り投げて、キレイに、そして身勝手に人生を締めくくったようにも思うのです。

その分長女の茶々が浅井の総領娘として、また二人の妹の母代わりとして、本来親が負うべき重責を負い、両親の菩提をも弔い、頼るものもなく、泥ばねを被ったのではと。

アナタが人生丸投げしたせいで、子ども達はこんなに、特に茶々はこんなに苦労したのよ、と見せてあげたい。

茶々姫にとっては慕わしい母だったのでしょうが、お市がもてはやされると今ひとつ釈然としない心持ちになるのでした。

あ、ドラマは良かったですよ。
鈴木保奈美さん、素敵でした!

| 明石 | 2011/03/25 01:57 | URI | ≫ EDIT

2. Re:母親の責任

>明石さん

コメントありがとうございます。心待ちにしておりました^^

市に関しては、本当に言いたいことを言っていただいた感じです。ありがとうございます。

最初、鈴木保奈美さんの市はイメージ湧きにくかったのですが、見てみると、意外に自分の市のイメージに近い市像で驚きました。
でも、あの市なら今後の娘たちの人生を見てもあんまり堪えないような気もします…

| 紀伊@赤石いとこ | 2011/03/25 15:48 | URI | ≫ EDIT















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