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小和田哲男『戦国三姉妹 茶々・初・江の数奇な生涯』

今回は、小和田哲男先生の『戦国三姉妹』の感想です。
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基本的に、私が良書に挙げている『戦国三姉妹物語』の再録なのですが、訂正個所がちらほら…


(2010/11/24)

『戦国三姉妹物語』と新版『戦国三姉妹 茶々・初・江の数奇な生涯』を読み比べ中。「小督」→「お江」、「北ノ庄」→「北庄」など、細かい違いがいろいろあります。細かくないところもあるけれど。

posted at 09:51:40

長浜城でも基本「小督」で通してたけど、お江に変えるのかな…。お江は茶々姫ほどはっきり名前が残っていないけど、自分では初宛の手紙に「五(ご)」と署名しているので、「おごう」、「こごう」ではなく「ごう」が正しい名前なんでしょうね。

posted at 09:53:29

しかし、「小督」を「お江」に変換しているので、「茶々・初・お江」とお江だけ「お」がついているのはちょっと違和感かな。あと、新版の帯「姉は豊臣とともに滅び、お江は徳川を支えた!」…帯決めた編集者さんか誰か、茶々姫ファンに喧嘩売っとんのか!(#゜Д゜)ノ

posted at 09:55:31


①市の婚礼時期を裏付ける史料

「細かくない」訂正の最たるものは、市の輿入れに関する史料についてでしょう。
『戦国三姉妹物語』では、永禄十一年一月~三月という論を出しながら、それを裏付ける資料は紹介されていませんでした。
『戦国三姉妹』ではそれに加えて以下の記述があります。
「その後、遠山信春の表した『総見記』(別名『織田軍記』)に永禄十一年四月下旬の輿入れという記述があるのをみつけ、現在はそのころの輿入れとみている。」


②福田説の採用

また、第三章の小見出しが「一人残された茶々」が「嫁ぐ機会を与えられなかった茶々」、第四章が「秀吉の側室となる茶々」から「秀吉の二番目の正室となる茶々」と改められ、本文には
「なお、私は、淀殿が鶴松を生んだあと、それまでの側室から正室に格上げされたのではないかと考えている。もちろん、お禰、すなわち北の政所が正室なので、二人目の正室というわけである。ふつう、正室は一人だけであるが、関白は二人いることもあったのではないかと思われる。
 そして、天下人の跡取り鶴松を生んだことで、淀殿の立場も大きく変化していった。二人目の正室となった地震というべきか、余裕というべきか…」
という文章が加筆・修正されています。


茶々姫正室説のほか、知善院所蔵文書では、『戦国三姉妹物語』では桑田説を採用し、「あこ」の代筆としていたあとに、「しかし、研究とは面白いもので、実は、淀殿の自筆の文書であることが福田千鶴氏によって明らかにされてきたのである。」と加筆されています。


③細かい訂正

細かいところですが、ツイッターで上げている他、第四章で浅井長政の二十一回忌が文禄三年から文禄二年に訂正されています。ただこれは第八章では『浅井三姉妹物語』も文禄三年としているので、単なる誤植だと思われます。


ラストの「鶴松の誕生が関白秀次之失脚に直結していたことは間違いなく…」の部分には訂正がありませんでした。これは「秀頼」の誤りでしょう。


見落としがあるかもしれませんが、このあたりでしょうか。
訂正のポイントとしては、大河に合わせた呼称・地名などの変更、お市の輿入れ永禄十一年説の補強、そして福田説の採用といったところ。


感想としては、もともと茶々姫についての一般的評価に異論をお持ちの小和田先生ですから、福田先生の再評価を踏まえて書かれたこの書籍がさらに広く読まれてほしいと思います。


ただ、ラストに茶々姫が鶴松と秀頼を生まなければ…というくだりは、秀頼はもとより、なにより母の茶々姫が一番悲しむことだと私は思っています。
今でさえ容易に考えつくそのIFを、当時思い至らせた人がいなかったわけがなく、そんな中で生きぬいた秀頼の、そんな秀頼を見守っていた茶々姫の心情に思いをはせずにはいられません…



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