fc2ブログ

茶々姫をたどる汐路にて

茶々姫研究日記(こちらが現行版になります)

RSS     Archives
 

茶々姫の信仰篤き鴫野神社

 

茶々姫をたどる汐路にて
続いては、生国魂神社摂社鴫野神社(しぎのじんじゃ)。

実は何年も大阪に住んでいたのに、なぜか一度も行ったことがない場所でした。


この神社と茶々姫の縁については、鴫野神社に備え付けられている解説を引用します。


①鴫野神社(しぎのさん)


淀君ゆかりの神社である。鴫野神社はその昔「鴫野の弁天さん」として大阪(ママ)城東側に祀られていた。この弁天社を大阪城の淀君が殊のほか篤く崇敬し、後には弁天社の隣に「淀姫社」として祀られたほどである。

爾来、女性の守護神(まもりがみ)と仰がれ心願成就・縁(縁結び・悪縁切り)の神様として霊験あらたかとの評判を呼び、お参りする人が群れをなしたと伝えられている。


②鴫野神社の御由緒

いくたまさんの境内“生玉の社”に鎮まります「鴫野神社」は、かつて大阪城の東、鴫野の弁天社として祀られておりました。

天下人豊臣秀吉の側室、淀姫の崇敬はことのほか篤く、女性の守護神として悪縁を切り良縁を結ぶという心願成就の御利益が伝わります。後に淀姫自身も祀られ、大阪城に縁の深い当社に移ってからも良縁を望む多くの女性から篤い信仰を集めています。

茶々姫が弁天様を篤く信仰していたことは事実の様で、姫の持仏として伝わるのもやはり「金厨子入弁才天」(養源院蔵)でした。そういえば浅井家縁の竹生島も弁天様信仰ですね。


こちらで弁天様とともにに祀られるようになったという「淀姫」というご祭神と茶々姫の関係については諸説あり、そもそも「淀姫神」という女神が祀られているのであり、茶々姫とは無関係とされる研究者の方もいらっしゃいます。

ただ、こちらの場合、まず弁天様が祀られており、この弁天様に茶々姫が篤く信仰したことが由来で「淀姫社」と呼ばれるようになったとのことですから、たとえ「淀姫神」という女神さまが別にいらっしゃったとしてもこれは茶々姫と無関係ではないのでしょう。

茶々姫を偲んで、その号と同じお名前の女神様を祀るようになったものか、茶々姫自身を「淀姫」として祀られたものかは分かりません。


それにしても、この由来を読んでいると、「淀姫神」は昔からいらっしゃる神様ですから、茶々姫は同じお名前を持つこの女神様をどんなふうに思っていたのかしら…と気になってしまいます。


そのあたりの由来についてもっと調べてみたいと思い、社務所の方にお伺いしたのですが、生国魂神社の社殿や記録類は戦火で焼けてしまい、現存していないとのことです。残念。

社務所の方は茶々姫のことを「淀姫さま」と仰っていました。この神社では「淀姫」を茶々姫のこととして、大切に敬われているのだと分かるやり取りでした。


(生国魂神社正面)

茶々姫をたどる汐路にて

その他、鴫野神社の近くには城方向神社(きたむきじんじゃ)が祀られていました。

その名の通り、大坂城の鬼門を守る神社だそうです。
茶々姫をたどる汐路にて

スポンサーサイト



Comment

1. 淀姫

あながち私の呼び方も、間違いではないのでしょうか(^O^)
嬉しいですo(^-^)o
いつか、こちらにも詣でたいと思います。

2010.12.15 | しなちくにゃんこ[URL] | Edit

2. Re:しなちくにゃんこさん

>しなちくにゃんこさん

そうですね。
生前の呼称を明らかにするという意味では正誤があるのは仕方のないことですが、個々人が親しみ・敬意をこめてどう呼ぶかに正誤はないように最近は思います。
世の中には「親しみ・敬意をこめて」という部分のないものもあるのが困りものですが…

2010.12.18 | 紀伊@赤石いとこ[URL] | Edit

    
プロフィール

紀伊

Author:紀伊
茶々姫(浅井長政の娘、豊臣秀頼の母)を中心に、侍女、ご先祖の浅井家女性(祖母井口阿古など)、茶々の侍女やその子孫、養女羽柴完子とその子孫を追いかけています。
ちょこっとものを書かせていただいたり、お話しさせていただくことも。





月別アーカイブ

フリーエリア

メモ「赤石いとこ」名義で記事を書かせていただきました。

悲劇の智将 石田三成 (別冊宝島1632 カルチャー&スポーツ) 悲劇の智将 石田三成 (別冊宝島1632 カルチャー&スポーツ)(2009/06/06)
…改めて石田三成と茶々姫の“不義”を否定する記事を書かせていただきました。


メモ 参考資料としてご紹介いただきました。

めのとめのと
…茶々の乳母大蔵卿局を主人公描く歴史小説。茶々の祖母阿古の活躍も見どころ。
千姫 おんなの城 (PHP文芸文庫)千姫 おんなの城
…千の生涯を描いた作品。千が見た茶々をはじめとする人々の生き様、敗者が着せられた悪名が描かれる。


検索フォーム



ブロとも申請フォーム

QRコード
QR