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四代にわたる夢絵巻

ここ2週間史料の更新が滞っていてすみません…

昨日、長浜上歴史博物館25周年記念特別展『浅井三代と北近江』展示説明会二回目に参加してきましたので、とりいそぎそちらのご報告でも。

すでに会期も後半を向かえ、前半に訪れたときとはすこし展示も変更されていました。
斉藤道三が朝倉義景になったり、
高野山系のお市肖像の写しがマイナーチェンジしてたり。
そして湯次神社に奉納された太刀も刀になり、しかもそれは長政が使っていたかもしれないという…

何度見ても大興奮です。

いや、しかし何度見ても久政さんの寿像は男前ですね。


…さて、展示説明会。今回はいつもの太田先生。
先週の森岡栄一先生の説明もとても面白かったのですが、今回もなかなかに面白かったです。

久政さんの寿像に描かれている紋、たたみ扇がX字型に重なっているのですが、あれは久政さん個人の紋だったのですね。
確かにそういえば三つ亀甲じゃない。
先生方と肖像を見ると、いろいろ見るべきところを指摘していただけてとても勉強になります。

久政さんについては、有名な餅の井の件について初めて理解できました。
用水論というととても複雑で分かりにくいように思うのですが、
要は下流の小谷城下への水路を、上流の村々よりもさらに上流付近からむりやりに引っ張ってきているというお話です。
これだけでもかなりの権力を以ってではなければ出来ないこと。
それをやり遂げた久政さんもすごい。

…けど、その上流の村々(今の高月町付近)を束ねていたのは阿古さんの実家井口氏。
阿古さんとの婚姻があってこそこれをなし得たといっても過言ではなさげ。
ということは、阿古さんを久政に娶せたのは亮政さんな訳で、これは親子二代にわたる壮大なプロジェクトだったわけですね。すごい。
まだ阿古さんがちいさな時分から跡継ぎである兄経親共に目を掛けていたことを考えると、二十年ほどに及びます。
亮政さんでいきなり小谷の山上にどの豪族よりもすごい城を建築し、久政さんで水利を得る。
それを思うと、久政さんの時の一時的な六角臣従でさえ壮大なプロジェクトの一角だったのでは?などと思えます。だって、六角との戦があまりなかったからこそできた国内政策だったのですから。


肖像といえば、例の初公開かもしれない養源院の束帯姿の長政像。
あれはずっとみててもあきません。
並み居る肖像画の中で、一番穏やかな顔をしていると思います。
桃山時代に養源院にこんなものを収めるなんて、先生方は口にしないけどやっぱり姫しかいないよなあ…と思うと、姫の父を慕う気持ちが胸にしみて涙を誘います。

今回の展示説明会は主に書状の解読などだったのですが、やはり長政公の感状は何度見ても泣けてきます…
そしてそのような感状はもちろん、拝領した品々、そして小谷山城の図を、主家滅びてなお大事に伝えてきた家臣の方々の思いすら胸に迫るものがあります。

特に片桐且元の父直貞に当てた感状などを見ると、姫が且元を重用し頼りにしていたのはきっと無関係ではないんじゃないだろうかなどと思うわけです。

肖像画から、太田先生などしきりにお江がお市に似ているとおっしゃいますが、
やはり茶々姫は面差し…というか、暖かな雰囲気が父に似ていたのではないかしら…
だからこそ浅井家臣や浅井の品々は、権力磐石な徳川にいるお江の元ではなく、自然茶々姫に集まり慕われたのだと思うと、「長女だから」という曖昧な理由だけなく、すごく納得できる気がします。
お市ではなく長政似というと、なぜか褒め言葉でないように使われますが、浅井の縁の者たちにとっては、長政こそが慕う主だったのですしね。


それにしても、太田先生も周囲の状況からお市の婚礼はかなり早い時期だったというお考えなのですが、それならば「尾張守」書状はどう解釈したらよいのでしょう?(※ 小和田先生の著書を参照)
側室の記録がない=万福丸の母はお市以外ありえないという話はどうしても腑に落ちません。
在野にはお弁さん(万寿丸の母と伝わる人)や宗心(くすの母)さんもいるわけですし……
あれがある限りは永禄十一年説へのこだわりはどうしても拭いきれません。

そして浅井三代記!!
なまじ出版被を稼ぐためにちょこちょこいろんな人の経歴を偽装したばっかりに、もしかしたら合ってるかもしれない記録まで使えないなんて!
阿古父の経元さんでさえこういう理由で公式には使えないらしい(…)
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