Posted at 2009.07.11 Category : ∟書籍・論文・記事
『近江戦国の女たち』(下記参照)の作者、畑裕子先生が小説で浅井三姉妹を描かれましたのでご紹介させていただきます。
>> 花々の系譜 浅井三姉妹物語
畑先生は、戦国期において残されている乏しい史料では女性たちのすべてははかれないと、阿古御料の役割において「ありえただろうこと」をいろいろと作家という立場ならでは、というよりその立場でしかできない模索さている方です。
だからといって史実をおろそかにすることはなく、とても安心して拝読することのできる先生だと思います。
さて、今回の作品ですが、三姉妹・「竜子」・「おね」など様々な人が登場しますが、誰一人として悪女はいません。
茶々姫も誇り高く、寡黙で、そして賢い女性として主人公お初やお江を導く存在として登場します。
ただ、一か所だけ茶々姫と治長の不倫をにおわせるシーンがあって、私個人としてはそこが残念でした。
まあ、巷にその噂があったことは確かですから、「火のない所に煙は立たない」という考えのもとで挿入されたものと思います。
個人的には秀吉が決めたことは豊臣家で滅亡のその時まで固く守られていたはずだと考えていますので(それが「秀吉」を継ぐ秀頼の存在を守ることにつながるため)、秀吉が生前堅く定めていた奥御殿に関する定書もまたこの時も守られていたため、茶々姫が何よりも重んじていた秀頼の権力を揺るがすこの事実はなかったのではないかと考えています。
…それはさておき。
「500石の喜八郎」をはじめ、なるほどそう来たか!と思ったところも結構あり、しかも小説としても一日で読んでしまうほどとても面白い作品でした。
大蔵卿局の存在感も異常なほどに印象的です(笑)
でも、やり手ならではの存在感で厭味な感じは受けませんでした。
装丁もハードカバーで、表紙も美しく、また文字の大きさも少し大きめで読みやすい一冊です。
>> 花々の系譜 浅井三姉妹物語
畑先生は、戦国期において残されている乏しい史料では女性たちのすべてははかれないと、阿古御料の役割において「ありえただろうこと」をいろいろと作家という立場ならでは、というよりその立場でしかできない模索さている方です。
だからといって史実をおろそかにすることはなく、とても安心して拝読することのできる先生だと思います。
さて、今回の作品ですが、三姉妹・「竜子」・「おね」など様々な人が登場しますが、誰一人として悪女はいません。
茶々姫も誇り高く、寡黙で、そして賢い女性として主人公お初やお江を導く存在として登場します。
ただ、一か所だけ茶々姫と治長の不倫をにおわせるシーンがあって、私個人としてはそこが残念でした。
まあ、巷にその噂があったことは確かですから、「火のない所に煙は立たない」という考えのもとで挿入されたものと思います。
個人的には秀吉が決めたことは豊臣家で滅亡のその時まで固く守られていたはずだと考えていますので(それが「秀吉」を継ぐ秀頼の存在を守ることにつながるため)、秀吉が生前堅く定めていた奥御殿に関する定書もまたこの時も守られていたため、茶々姫が何よりも重んじていた秀頼の権力を揺るがすこの事実はなかったのではないかと考えています。
…それはさておき。
「500石の喜八郎」をはじめ、なるほどそう来たか!と思ったところも結構あり、しかも小説としても一日で読んでしまうほどとても面白い作品でした。
大蔵卿局の存在感も異常なほどに印象的です(笑)
でも、やり手ならではの存在感で厭味な感じは受けませんでした。
装丁もハードカバーで、表紙も美しく、また文字の大きさも少し大きめで読みやすい一冊です。
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