Posted at 1912.05.08 Category : 編年史料
慶長十七(1612)年
※ []内は茶々姫の居場所
一日(天晴)
寧(「政所様」)、豊国社へ参詣し、銀子五枚を奉納する。〔舜旧記〕
四日(天晴)
秀頼(「大坂」)、豊国社へ名代として片桐且元(「片桐市正殿」)を遣わし、金子一枚百疋を奉納し、神官巫女たちに進物する。また且元、私に奉納あり。〔舜旧記〕
五日(天晴)
寧(「政所様」)、節分につき豊国社へ参詣する。〔舜旧記〕
六日(天晴)
豊国社祝衆、寧(「政所様」)へ新年の挨拶のために訪問する。寧の侍女、古茶局(「ヲ小茶」)・梅久局(「梅久」)へも進物あり。〔舜旧記〕
十二日(天晴)
梵舜、大坂城へ登り新年の挨拶のために秀頼(「秀頼様」)を訪問する。 梵舜、秀頼へ杉原十帖・扇一本、茶々姫(「御袋様」)・大蔵卿局(「大蔵卿」)へ水引百把を進上する。梵舜、秀頼より盃を頂き、御服二令を拝領する。
なお、大坂登城に先立って梵舜は片桐貞隆(「主膳正」)・且元(「市正殿」)と会い、進物を交わしている。この後の秀頼との対面を取り次いだのもどちらかであろう。〔舜旧記〕
二日(陰)
豊国社において秀頼(「大坂秀頼様」)のために一七日祈祷が行われる。このために大坂より銀子十枚を受け取る。 萩原兼従(「萩原」)、患により吉田兼之(「権少副」)がこれをつかさどる。〔舜旧記〕
八日(雨降)
豊国社で行われていた秀頼(「大坂右府公」)のための祈祷が結願する。〔舜旧記〕
九日(天晴)
豊国社の大鳥居根付の修理が始まる。〔舜旧記〕
二十四日(天晴)
寧(「政所様」)、豊国社へ秀頼(「右府公」)のための祈祷を依頼する。〔舜旧記〕
二日(陰)
徳川家康、禁教令を発し、キリスト教の布教伝道を禁ずる。〔東福寺誌(江戸時代史)〕
十七日(雨降)
巳刻、寧(「政所様」)が豊国社に参詣し、湯立祈祷や銀子五枚を奉納する。〔舜旧記〕
十八日(天晴)
豊国祭。
秀頼(「大坂」)、この日の早朝に名代として片桐貞隆(「片桐主膳正」)を参詣させ、金子一枚百貫を奉納させる。また萩原兼従(「萩原」)・吉田兼治(「左兵衛」)・梵舜(「神宮寺」)に銀子五枚、吉田定継(「民部」)へ銀子一枚を贈る。
午刻、勅使として西三条実条(「西三条中納言実条」)が束帯にて参詣し、奉幣が行われる。〔舜旧記〕
一日
寧、幕府より寺領を寄進される。 〔『大日本史料』〕
三日(天晴)
寧(「政所様」)、使者を通じて例年通り神官衆へ帷二ツ(白・青)を贈る。〔舜旧記〕
五日(雨降)
早朝、寧(「政所様」)が豊国社へ参詣し、銀子二枚を奉納する。〔舜旧記〕
二十二日(暴風雨)
梵舜、見舞のために寧(「政所様」)を訪問し、糒二十袋を進上する。二人の侍女がこれに応対する。梵舜、種々の酒をふるまわれ、帷二ツ(白・青)を拝領する。〔舜旧記〕
五日
萩原兼従(「萩原殿」)と梵舜、大坂へ登城し秀頼(「右府様」)と対面する。 兼従、秀頼へ太刀折紙・曝五疋、茶々姫(「御袋様」)へ曝五続、千(「姫様」)・大蔵卿局(「大蔵卿」)へ曝三続、二位局(「二位殿」)・三位局(「三位殿」)・右京大夫局(「右京大夫殿」)へ曝二疋を贈る。梵舜、秀頼へ糒二十袋を進上する。
例によって兼従・梵舜、登城前に片桐貞隆(「片桐主膳正」)・且元(「片桐市正」)を訪ね、且元が秀頼との対面を取り次ぐ。申次は安威守佐(「安盛摂津守」)。
兼従・梵舜、秀頼より盃・肴を頂く。秀頼、兼従へ帷を五ツ、梵舜へ帷を三ツ贈る。千(「御姫様」)もまた兼従へ帷を三ツ贈る。〔舜旧記〕
十三日(天晴)
八条宮智仁親王(「八条殿」)が豊国社を参詣する。〔舜旧記〕
十四日(天晴)
「大原上野大坂へ湯立罷下、為祝儀指樽一荷・餅二十袋持来也」〔舜旧記〕
十七日(雨降)
巳刻、寧(「政所様」)、豊国社を参詣し、金子小判三ツ・散銭三貫四百文などを奉納する。〔舜旧記〕
十八日(雨降)
豊国祭。
辰刻、秀頼(「大坂」)の名代として赤座内膳正が豊国社へ参詣、金子一枚・百貫を奉納する(「御太刀ハ無」との記載あり)。また萩原兼従(「萩原」)・吉田兼治(「左兵衛佐」)・梵舜(「神宮司」)へ銀子五枚を贈る。
続いて勅使として広橋兼勝(「広橋宰相」)が束帯にて参詣。また私に百疋を奉納する。〔舜旧記〕
二十二日(天晴)
梵舜、大坂へ登城し秀頼(「秀頼様」)と対面する。安威守佐(「安威〔摂〕津守」)が取り次ぐ。今回も梵舜は登城前に片桐貞隆(「主膳」)・且元(「市正」)を訪問している。〔舜旧記〕
二十八日(天晴)
梵舜、見舞いのために寧(「政所様」)を訪ね、蜜柑三百・柳樽一荷を進上する。奏者は梅久局(「梅休〔久〕」)。〔舜旧記〕
十五日(天晴)
寧、梵舜に頭巾一ツを贈る。〔舜旧記〕
十八日(天晴)
寧(「大政所様」)、豊国社へ参詣、銀子二枚などを奉納する。〔舜旧記〕
二十四日(天晴)
片桐且元(「片桐市正殿」)、梵舜へ歳暮・音信を贈る。〔舜旧記〕
二十五日(朝雨降、辰刻晴)
梵舜、片桐且元へ“例年通り”蹈皮一足を贈る。萩原兼従は小袖綾白一ツと音信が贈られる。使者は主水佑(「主水祐〔佑〕」:官職、主水司の判官。官位は正八位下相当)。〔舜旧記〕
二十八日(陰)
寧(「政所様」)、梵舜へ歳暮として小袖(綾・青裏)を贈る。〔舜旧記〕
二十九日
日野資勝、大坂城に赴き秀頼(「上様」)・千(「姫君様」)・上臈局(「上臈様」)・大蔵卿局(「大蔵卿様」)・ 二位局(「二位様」)・饗庭局(「饗庭様」)・阿古御局(「御あこ様」)・右京大夫局(「右京大夫様」)・ 宮内卿局(「宮内卿様」)・千乳母(刑部卿局ヵ/姫上様乳の人」)「御いちゃの御方」(伊茶局ヵ)に 歳暮の進物を献上する。〔資勝卿記(『桃山時代の女性』)〕
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※ []内は茶々姫の居場所
一月
[大坂城本丸奥御殿]一日(天晴)
寧(「政所様」)、豊国社へ参詣し、銀子五枚を奉納する。〔舜旧記〕
四日(天晴)
秀頼(「大坂」)、豊国社へ名代として片桐且元(「片桐市正殿」)を遣わし、金子一枚百疋を奉納し、神官巫女たちに進物する。また且元、私に奉納あり。〔舜旧記〕
五日(天晴)
寧(「政所様」)、節分につき豊国社へ参詣する。〔舜旧記〕
六日(天晴)
豊国社祝衆、寧(「政所様」)へ新年の挨拶のために訪問する。寧の侍女、古茶局(「ヲ小茶」)・梅久局(「梅久」)へも進物あり。〔舜旧記〕
十二日(天晴)
梵舜、大坂城へ登り新年の挨拶のために秀頼(「秀頼様」)を訪問する。 梵舜、秀頼へ杉原十帖・扇一本、茶々姫(「御袋様」)・大蔵卿局(「大蔵卿」)へ水引百把を進上する。梵舜、秀頼より盃を頂き、御服二令を拝領する。
なお、大坂登城に先立って梵舜は片桐貞隆(「主膳正」)・且元(「市正殿」)と会い、進物を交わしている。この後の秀頼との対面を取り次いだのもどちらかであろう。〔舜旧記〕
二月
[大坂城本丸奥御殿]二日(陰)
豊国社において秀頼(「大坂秀頼様」)のために一七日祈祷が行われる。このために大坂より銀子十枚を受け取る。 萩原兼従(「萩原」)、患により吉田兼之(「権少副」)がこれをつかさどる。〔舜旧記〕
八日(雨降)
豊国社で行われていた秀頼(「大坂右府公」)のための祈祷が結願する。〔舜旧記〕
九日(天晴)
豊国社の大鳥居根付の修理が始まる。〔舜旧記〕
二十四日(天晴)
寧(「政所様」)、豊国社へ秀頼(「右府公」)のための祈祷を依頼する。〔舜旧記〕
三月
[大坂城本丸奥御殿]二日(陰)
徳川家康、禁教令を発し、キリスト教の布教伝道を禁ずる。〔東福寺誌(江戸時代史)〕
四月
[大坂城本丸奥御殿]十七日(雨降)
巳刻、寧(「政所様」)が豊国社に参詣し、湯立祈祷や銀子五枚を奉納する。〔舜旧記〕
十八日(天晴)
豊国祭。
秀頼(「大坂」)、この日の早朝に名代として片桐貞隆(「片桐主膳正」)を参詣させ、金子一枚百貫を奉納させる。また萩原兼従(「萩原」)・吉田兼治(「左兵衛」)・梵舜(「神宮寺」)に銀子五枚、吉田定継(「民部」)へ銀子一枚を贈る。
午刻、勅使として西三条実条(「西三条中納言実条」)が束帯にて参詣し、奉幣が行われる。〔舜旧記〕
五月
[大坂城本丸奥御殿]一日
寧、幕府より寺領を寄進される。 〔『大日本史料』〕
三日(天晴)
寧(「政所様」)、使者を通じて例年通り神官衆へ帷二ツ(白・青)を贈る。〔舜旧記〕
五日(雨降)
早朝、寧(「政所様」)が豊国社へ参詣し、銀子二枚を奉納する。〔舜旧記〕
六月
[大坂城本丸奥御殿]二十二日(暴風雨)
梵舜、見舞のために寧(「政所様」)を訪問し、糒二十袋を進上する。二人の侍女がこれに応対する。梵舜、種々の酒をふるまわれ、帷二ツ(白・青)を拝領する。〔舜旧記〕
七月
[大坂城本丸奥御殿]五日
萩原兼従(「萩原殿」)と梵舜、大坂へ登城し秀頼(「右府様」)と対面する。 兼従、秀頼へ太刀折紙・曝五疋、茶々姫(「御袋様」)へ曝五続、千(「姫様」)・大蔵卿局(「大蔵卿」)へ曝三続、二位局(「二位殿」)・三位局(「三位殿」)・右京大夫局(「右京大夫殿」)へ曝二疋を贈る。梵舜、秀頼へ糒二十袋を進上する。
例によって兼従・梵舜、登城前に片桐貞隆(「片桐主膳正」)・且元(「片桐市正」)を訪ね、且元が秀頼との対面を取り次ぐ。申次は安威守佐(「安盛摂津守」)。
兼従・梵舜、秀頼より盃・肴を頂く。秀頼、兼従へ帷を五ツ、梵舜へ帷を三ツ贈る。千(「御姫様」)もまた兼従へ帷を三ツ贈る。〔舜旧記〕
八月
[大坂城本丸奥御殿]十三日(天晴)
八条宮智仁親王(「八条殿」)が豊国社を参詣する。〔舜旧記〕
十四日(天晴)
「大原上野大坂へ湯立罷下、為祝儀指樽一荷・餅二十袋持来也」〔舜旧記〕
十七日(雨降)
巳刻、寧(「政所様」)、豊国社を参詣し、金子小判三ツ・散銭三貫四百文などを奉納する。〔舜旧記〕
十八日(雨降)
豊国祭。
辰刻、秀頼(「大坂」)の名代として赤座内膳正が豊国社へ参詣、金子一枚・百貫を奉納する(「御太刀ハ無」との記載あり)。また萩原兼従(「萩原」)・吉田兼治(「左兵衛佐」)・梵舜(「神宮司」)へ銀子五枚を贈る。
続いて勅使として広橋兼勝(「広橋宰相」)が束帯にて参詣。また私に百疋を奉納する。〔舜旧記〕
十月
[大坂城本丸奥御殿]二十二日(天晴)
梵舜、大坂へ登城し秀頼(「秀頼様」)と対面する。安威守佐(「安威〔摂〕津守」)が取り次ぐ。今回も梵舜は登城前に片桐貞隆(「主膳」)・且元(「市正」)を訪問している。〔舜旧記〕
二十八日(天晴)
梵舜、見舞いのために寧(「政所様」)を訪ね、蜜柑三百・柳樽一荷を進上する。奏者は梅久局(「梅休〔久〕」)。〔舜旧記〕
十一月
[大坂城本丸奥御殿]十五日(天晴)
寧、梵舜に頭巾一ツを贈る。〔舜旧記〕
十二月
[大坂城本丸奥御殿]十八日(天晴)
寧(「大政所様」)、豊国社へ参詣、銀子二枚などを奉納する。〔舜旧記〕
二十四日(天晴)
片桐且元(「片桐市正殿」)、梵舜へ歳暮・音信を贈る。〔舜旧記〕
二十五日(朝雨降、辰刻晴)
梵舜、片桐且元へ“例年通り”蹈皮一足を贈る。萩原兼従は小袖綾白一ツと音信が贈られる。使者は主水佑(「主水祐〔佑〕」:官職、主水司の判官。官位は正八位下相当)。〔舜旧記〕
二十八日(陰)
寧(「政所様」)、梵舜へ歳暮として小袖(綾・青裏)を贈る。〔舜旧記〕
二十九日
日野資勝、大坂城に赴き秀頼(「上様」)・千(「姫君様」)・上臈局(「上臈様」)・大蔵卿局(「大蔵卿様」)・ 二位局(「二位様」)・饗庭局(「饗庭様」)・阿古御局(「御あこ様」)・右京大夫局(「右京大夫様」)・ 宮内卿局(「宮内卿様」)・千乳母(刑部卿局ヵ/姫上様乳の人」)「御いちゃの御方」(伊茶局ヵ)に 歳暮の進物を献上する。〔資勝卿記(『桃山時代の女性』)〕
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